建物の寿命を長く維持するには、定期的な建物診断・修理が必要です。防水層は通常10年を過ぎた頃から劣化が目立ちはじめます。屋上部分のひび割れ、ドレンのつまり、防水シートの膨れ、剥がれ、水溜りができる、雑草や苔が生えるなど、様々な症状が起こります。目に見える症状はほんの一部でも実は深刻な被害になる恐れもあります。そうなる前にしっかりと補修を行うことが、建物の寿命を長期間維持するために必要なのです。
クラック(ひび割れ)
ドレン詰まり
剥がれ
膨れ
防水工事は大きく分けて3種類あります。 「アスファルト防水、シート防水、塗膜防水」です。それぞれが長所を保有している反面、短所も持ち合わせているため適材適所の選択が必要です。
合成繊維不織布にアスファルトを含浸・コーティングしたシート状の「ルーフィング」を液状の溶解アスファルトで貼り重ねて形成する防水工法です。2層以上のルーフィングを積層します。 水密性に優れた防水層が得られるので、多彩な仕上げが可能です。施工時には臭いや煙が発生する工法もあるため施工場所を選ぶという短所もあります。
塩ビや加硫ゴムを原料とする1mm~2mm厚のシートを、接着剤や金属製のディスクで下地に固定し、シート相互間のジョイント部分を貼り合わせ形成する防水のことです。1層で仕上げる単層仕様が中心になります。伸縮追従性に優れ下地の挙動に追従するため破断しにくいという良さもあります。
ウレタンやアクリル、不飽和ポリエステルを主原料とした液体を刷毛やローラーなどで下地に塗り重ねます。硬化時には継ぎ目のない連続皮膜を形成する水密性の高い防水工法です。液体を塗り重ねるため下地の形状に馴染みやすく、既存防水層の上からでも施工可能です。撤去する廃材も出ないため廃材処分のコストもかからず環境に優しい工法です。